ダニについての正しい知識!
もうすぐ梅雨です。ダニアレルギーを含め、喘息、アレルギー性鼻炎をお持ちの方の苦手な季節がやってきます。「ダニが好むのは、温度20〜30℃、湿度55%以上の環境」です。梅雨から夏に増殖しやすいのはこのためです。家庭でダニが好む環境になりやすい場所が、布団です。人は、1晩で約コップ1杯の汗をかくとされています。皮脂やふけなどダニのエサとなるものも豊富で、ダニにとって格好のすみかなのです。寝ている時間は長いです。寝具に関心を持つことで予防することができます。
(1)専用ノズルをつけて掃除機でゆっくり吸引
布団を干すと湿気を除く効果はありますが、ダニの死骸やフンなどのアレルゲン自体は減りません。布団内のダニアレルゲンを除くには、専用のノズルをつけてゆっくり吸引します。
(2)週に1度の洗濯
ダニのフンや死骸、そしてダニのエサとなる人のふけや皮脂は水溶性なので、水洗いが有効です。ダニの卵は孵化まで約1週間かかるので、シーツや枕カバー、タオルケットなどを週に1度は洗濯すると効果的です。
(3)湿気を溜めないよう風通しをよくする
布団に湿気を溜めないよう、押入れは空気が流れるようにします。すのこを敷いたり、物を詰め込み過ぎないようにしましょう。お天気のよい日には、押入れのふすまを開けて、風を通します。部屋の湿度を50%、室温を20−25℃に保つ。
(4)カバー類は高密度の繊維を選ぶ
布団カバーは、ダニなどを通さない高密度の「防ダニ製品」を選ぶとよい。もちろん、ベットカバーなどをこまめに洗濯することも大切です。
(5)部屋はこまめに掃除
ダニのエサになるハウスダストを掃除します。掃除機は排気でほこりを舞い上げてしまうので、モップなどで拭き掃除をしてから掃除機を使います。掃除機は1畳あたり30秒以上かけて行います。布張りのソファ、カーペット、畳は避けましょう。
お布団を干す際、布団たたきを使うとほこりやダニなどの汚れが落ちてすっきりした気分になる人もいることでしょう。しかしお布団を叩くことでダニの死骸やフンが細かく砕かれます。それらがお布団の表面に出てきて、寝ているときに吸い込んでしまうのです。かえってアレルギーやハウスダストが悪化する原因となってしまいます。また、生きているダニは布団たたきの衝撃にびっくりして、お布団のなかに隠れてしまいます。ある実験で布団たたきは「叩く」よりも「撫でた」方がお布団の表面の汚れが落ちることがわかっています。布団たたきを使う場合は、お布団を「叩く」のではなく「撫でる」ようにしましょう。
そしてダニアレルギーを克服するための治療があります。舌下免疫療法です。毎日錠剤を舌下に置くことで3ヶ月くらいからダニの抗体ができます。長期にわたり、正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる効果が期待できます。症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。当院ではミティキュア、アシテアの両方の治療が可能となっています。悩まされてきた通年生のアレルギーを克服できます。試してみませんか??